アニメーター・演出家の平松禎史さんのブログ記事で「おっ」と思ったのでご紹介。
「歴史感覚乏しき国家アメリカ」 Tempo rubato アニメーター・演出家 平松禎史のブログ
この記事ではワシントンDC在住の政治アナリスト、伊藤貫さんを紹介しています。
それで、何に「おっ」っと思ったかというと
アメリカの危機、とりわけ移民に対する危機感は、雇用問題にとどまらず、白人の人口減少によって非白人の割合が高まっていることにあると言います。黒人奴隷差別の贖罪意識から行ったアファーマティブ・アクション(弱者・少数者優遇策)が、白人たちが少数になった時どうなるか。決して自分たちには適用されないだろうことを予感しており、心の底では自分たちが王者であると思っていながら、「自由の国アメリカ」の建前上その危機感を口にすることができないジレンマに苦しみ、おびえている。そんな状況に登場したのが、だれも口にできなかったことを言ってくれるくれるドナルド・トランプだったのだ。。。。
「歴史感覚乏しき国家アメリカ」 Tempo rubato アニメーター・演出家 平松禎史のブログ
の部分です。
以前も書きましたが、ディズニーのズートピアを見たとき、私も同じようなことを考えました。
アメリカ建国史や西部劇は、アメリカ白人にとっては古き良き神話であり時代劇ですが、他の人種にとっては必ずしもそうではありません。
過去を振り返り、これからのことを考えると、白人は
俺たち、いつか仕返しされるんじゃないか?
これからは俺たちが迫害されるんじゃないか?
漠然とした不安を持っているのではないでしょうか。
トランプの支持者は白人の中間層、貧困層が多いそうです。
トランプの極端な言動が支持される背景にはこうした不安があるのではないでしょうか。
ズートピアを観てトランプ当選を予感した話 肉好きの経済思想史
やはりアメリカ白人の間にはそういう不安感があるんだなと改めて思いました。
伊藤貫さんによれば、1965年以前は移民の流入はかなり厳しく制限されていたそうです。
しかし、1965年に移民法の大改正があり、それまでは毎年10〜20万人だった移民の流入が60〜80万人に膨れ上がってしまったそうです。
こうした急激な変化は人々に強いストレスを与えます。
最近は英語が話せない南米系の移民も増えているようです。
時代劇に共感できないどころか話が通じないということです。
そりゃあ不安にもなりますよね。
移民の話は自分の家に他人を上げるわけですから、きれいごとだけではやっていけません。
トランプのやり方は最低ですが、人手不足を移民で補うという、安倍政権の帝国主義的なやりかたも大いに問題があると思います。
私は、移民というのは基本的には”お客さん”だと思っています。
ですから当然来ていただいたお客さんはもてなさないといけないし、日本を楽しんでもらいたい。
そして楽しい時を共有した上で自分の国に帰っていただきたい。
もちろん、中には私たちと家族になってくれる人もいると思います。それは素晴らしいことです。
しかし基本的には母国に帰ってほしい。
なぜかというと、生まれた国のアイデンティティを大切にしてほしいからです。
逆に言うと、日本で外国のアイデンティティを貫き通されては迷惑です。
そんなことを言うと差別的だと非難されてしまいそうですが、私が言いたいのはこういうことです。
例えば私がイタリヤに行ってパスタを食べる。
ぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ
と大きな音を立ててすすって食べる。
ウェイターにたしなめられても
「てやんでい、こちらと江戸っ子でい!蕎麦ってのはこうやって食うんでいぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ」
これって許されると思いますか?
ダメですよね。多様性ってこういうことじゃないですよね。
多様性はTPOを注意しないと成り立ちません。
様々な彩りを共演させるためにはの絵の具が混ざってしまわないよう注意が必要なんです。
私は多様性のある世界が良いと思っています。
だから多種多様な国の人々が、自国のアイデンティティを大切にできる世の中がいいし、もちろん日本のアイデンティティも尊重してほしい。
ヌーハラとか”はぁ?”ですよ。
ですから、移民を”労働力”や”資源”として見るのではなく、お客さんとしておもてなしする政策を目指してくれるといいのになと思います。
なんだか話が横滑りした感がありますが、きょうはこのへんで
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題名:平松禎史 アニメーション画集
著者:平松禎史
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