雑誌『表現者クライテリオン』の沖縄での
シンポジウムに行ってきます。(8月20日)
沖縄に行くのは初めてなので、いろいろと観光してこようと思います。
シンポジウムは宜野湾市で行われます。
宜野湾市には普天間飛行場があります。
だから私は今回初めて、そして全くの偶然に、普天間飛行場の姿を
地図で確認しました。
ナンジャコリャ
って思いましたね。
なんかいろいろとおかしい。
まず海に面していない。そして山にも面していない。
平野のど真ん中にあるんです。
これは邪魔ですね。
そしてあろうことか、滑走路が海に向いてすらいない。
っていうか海に90度直交してます。
危ないですね。はい。
これじゃあ沖縄の人は文句も言いたくなりますわね。
基本的に、普天間飛行場はそこに住む人たちのことを
全然考えていないつくりになっていると感じました。
いわゆる”保守”の言説の中には
『普天間のまわりにはもともと人なんか住んでいなかった。
後から基地の周りに家や学校を立てたのだ。』
というものが有ります。
そうなのかもしれません。
しかし、冒頭に言った通り普天間飛行場は平野のど真ん中にあります。
人口が増えたらそこが市街地になるのは自明と言えるでしょう。
そもそも地元民と他国の軍隊との土地利用の問題に
”早い者勝ち”の論理を持ち出すのはどうなんですかね。
実に心ない言説だと思います。
とにかく普天間飛行場は危険で邪魔です。
現地も見てきますが、地図で見ただけでも明らかです。
それじゃあ辺野古に移しますかという話をすると、
それはそれで難しい、深刻な問題をはらんでいるんです。
普天間飛行場の移転計画は、普天間の基地を辺野古のキャンプシュワブ
という米軍基地に移設、統合するというものです。
もともと米軍基地があるところに移設するため、米軍基地の数は一つ減り、
沖縄の人にとっても負担の少ない案だと言われています。
地図で確認する限りでは確かに普天間よりは格段に負担が少なく、
基地としても合理的に見えます。
しかし、やはりそんなにうまい話ばかりではなくて
辺野古に基地を移設するには辺野古の海岸を一部
埋め立てなくてはならないそうです。
なので
『サンゴ礁やジュゴンの住む海を破壊するのか』
と反対する人たちがいます。
”保守”の人たちにスパイだのプロ市民だのと言われている人たちです。
その人たちが先祖から受け継いだ土地、小さい頃から見てきた風景を守りたい
地元の人なのか、そうじゃないのかは私にはわかりません。
確かなことは、普天間飛行場移設に伴って辺野古を埋め立てるということは、
他国の都合で自国の領土を改変することだということです。
アメリカの都合で沖縄のカタチを変えてしまうということです。
これは、考えようによっては原爆投下よりも重大な事件ではないかと、私は思います。
大げさですかね?確かに人は死なないし、放射性物質による汚染もない。
しかし、不可逆性で言えばその影響は甚大です。
これから100年かけて辺野古を取り戻し、埋め立てた土地を海に戻しても
辺野古が元の海に戻るのにさらにどれだけの時間がかかるのでしょうか。
そもそも元に戻るという保証もありません。
私は東京の生まれなので埋立地にはさほど抵抗がありません。
なので、辺野古の埋め立てが沖縄や日本全体に与える影響について
いまいちピンときていないというのが正直なところです。
しかし辺野古埋め立ての取り返しのつかなさに、強い不安を覚えます。
一方で、沖縄は地政学的な要所であるため、基地をなくすのは難しいでしょう。
現行憲法の下では、米軍無しでは国防が成り立たないことも事実です。
この問題は、沖縄に住む人たちの声をよく聞きながら、慎重に
考えなくてはいけません。
考えて、考えて決断する。その基準(クライテリオン)はなんでしょう。
それを探しに、沖縄に行ってきます。
それでは今日はこんなところで
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